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POMPのF年(2017年3月卒業)による新時代のウェブメディア。

追いコンバンド紹介⑫  サザンオールスターズ(小池F)

どうも、UmeeTの村田です。

 

 

ある一日の出来事について書きたいと思います。

 

その日は朝から青山のブルーボトルコーヒーで軽い打ち合わせのようなものがありました。行きの千代田線の中で、最近友人から借りた岡崎京子の短編集を読みました。最近小沢健二が突然の復活を遂げたことで、自分の中の90年代のカルチャーに対する熱が復活しています。「超ねんてん博物館」という番組がYouTubeにあがっているのですが、これもまた素晴らしい。サブカルチャーを支えていた一昔前の深夜番組の立ち位置を、これからのネットテレビが担ってくれたりしないだろうかと密かな期待を寄せているこの頃です。

 

ブルーボトルコーヒーでの打ち合わせは、某サイトで配信される予定の番組に関するものでした。高名な某ミュージシャンの息子さんにお会いしました。

 

それから銀座線に乗って三越前に向かいました。次の予定はちょっと変わっていて、サントリーが主催するマッカランというウイスキーの勉強会。バイト先のバーのマスターに連れられて、マンダリンオリエンタル東京というホテルへ。予想以上の格式高い雰囲気に驚きつつ、席に着きます。東京中から集まったバーテンダーの数は、なんと200人以上。しかしマスターの話によると下北沢だけでもバーは100店舗以上あるらしく、東京中で200人はそこまで多くはないとのことでした。

 

勉強会がはじまり、サントリーの偉い人たちの挨拶、そしてスコットランドからやってきたマッカランに詳しいなんとかという外国人の話を聞いていました。なんでも今回の勉強会は、新しく発売されたタブルカスクという種類の新しいマッカランについて扱うものだとのこと。一つの樽だけで熟成されたウイスキーシングルカスク。つまりダブルカスクは、一つ目の樽で熟成してから、さらにまた別の樽で熟成させてウイスキーなのだそうです。最後の質問会で、「ウイスキーは何対何で混ぜ合わせているのか教えて欲しい」という質問をした人がいて、会場がざわめく中「液体を混ぜ合わせている訳ではありません」という回答をもらっていたのがちょっとかわいそうでした。

 

さて、勉強会ということで、もちろんウイスキーの試飲もあります。一つ目のシングルカスクをまず一口。二つ目のシングルカスクをまた一口。一つ目のシングルカスクを熟成した樽と、二つ目のシングルカスクを熟成した樽の両方で熟成させたダブルカスクを最後に一口。

この三口だけで酔いました。

 

予期していた憂鬱な名刺交換のようなイベントもなく、勉強会は意外にもあっさりと終わりました。僕がこの近くにおいしい天ぷら屋さんがあるということをマスターに伝えると、マスターは興味を示してくれ、二人で行ってみることになりました。お昼の時間帯だと平日でも最低30分以上は並ばないと入れない超人気店ですが、さすがに午後3時半ということもあって全く並ばずにスムーズに入店。相変わらずのおいしさに、マスターも満足してくれた様子で何よりでした。

 

その後二人で銀座線に乗り渋谷に向かう電車の中で、マスターが昔から通っている渋谷の喫茶店に行くことなりました。宮益坂下にあるということで、もしかすると喫茶羽冨ではないかと尋ねると、やはり正解。昔友人に連れられて自分も行ったことのある喫茶店です。あるとき本屋に並んでいた「渋い渋谷」というちっとも渋くない雑誌の特集にも載っているのも見たことがあります。有名なお店です。

 

喫茶店へ向かう道すがら、昔の渋谷は相当治安が悪い街だったという話になったことがきっかけで、喫茶店では安藤昇川添象郎児玉誉士夫などいわゆるフィクサーと呼ばれるようなバリ悪い大人たちの経歴についてスマホで調べたりして遊ぶことになりました。こういう悪い人たちのこと調べてると、凡人でよかったと思うよね、ということで話は落ち着きました。

 

マスターはお店に戻るということで、自分はレコード屋でもまわって暇をつぶすと伝えると(最近レコードプレイヤーを買ったのです)、ディープなレコード屋を教えてもらえることに。スクランブル交差点を横切って109の方へ進み、Bunkamuraへ向かう通りをサーティワンアイスクリームをちょっと過ぎたあたりで曲がった右手に、そのお店はありました。扉を開けてすぐ現れたのが、まっさかさまに落ちそうになるほど急な階段。そこに僕を押し込むと、「じゃあ、頑張って」と行ってマスターは去って行きました。

 

仕方がないので店内に入ると、そこは店全体で6畳もないくらいの小さな半地下のスペースで、真ん中に店主が一人。「いらっしゃいませ」の一言もなく、気が小さい自分は3枚1000円のレコード棚からさっさと3枚選んで、店主に持って行きました。すると、「今メールを作成しているから待ちなさい」とのこと。やはり仕方がないので、しばらくレコード棚を意味もなく眺めながて過ごすことにしました。

 

数分そんな風にして待っていると、どこに置いてあったのか、店内のスピーカーから暖かいジャズピアノが流れ始めました。愛想のない店主からもう大丈夫だと声をかけられたので、そそくさと会計を済ませます。転げ落ちそうな階段を上って外に出ようとしたそのときでした。店主が小さく笑顔を見せながら僕に、「雨は、まだ降っていますか」と聞いてきたのです。その途端なぜだか僕は嬉しくなって、「まだ、少し降ってますね」と答えました。店主は「ああ、そうですか」と小さく頷くと、「ありがとうございました」とまた笑顔を見せてくれました。僕もまたお礼を言うと、急な階段を上がって扉を開けました。雨の匂いのする空気を吸い込み、少し心が満たされたような気持ちになりながら、僕は暖かなジャズピアノの鳴るその店を後にしたのでした。

 

 

 

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以上、バンドメンバーによる寄稿でした。

 

Vo.村田E
Cho.家村G
Gt.小池F
Ba.神野F
Dr.神谷E
Per&Cho.金子G
Pf.小林G
Syn.野村F
Sax.高倉F
Trp.奥山F
Trb.横田F

以上11名で、熱い演奏します。

お手柔らかにお願いします。

 

もうあと2日ですが、たのしい追いコンにしましょう!(小池)